
狩野永徳は、十代の若い頃に細密画に凝った。この洛中洛外図がその成果の一つで、永徳二十歳の頃の作品である。この作品は、細川家の依頼で制作されたと思われるが、後に信長の手に渡り、信長から上杉謙信へ贈られた。
六曲一双からなり、右隻は東山を背景に、左隻は北山から西山を背景にして、京都の町の賑やかさを、精密なタッチで描いている。上の写真は右隻。あらゆる階層の人々の暮らしぶりが丁寧に描かれている。

これは、祇園祭の山鉾の巡行を捉えたもの。京都の町の狭い道を、巨大な山鉾が練り歩く様子がリアルに描かれている。(六曲一双 紙本金地着色 各160.6×360.0㎝ 上杉博物館 国宝)
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