四季花木図:狩野光信

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狩野光信は永徳の長男として狩野派の本流を継いだ。画風としては、父永徳の豪壮さに対して、繊細さが売り物である。肖像画も手掛けており、教科書に出て来る有名な秀吉像は、光信の作品である。

勧学院客殿を飾る四季花木図は、かれの晩年の作品。勧学院は園城寺の子院で、慶長五年(1600)に建てられた。施主は豊臣秀頼である。光信は、最初豊臣氏に仕え、後には徳川氏に仕える。晩年のかれは、江戸と京都とを往復していたようだ。

勧学院客殿には十五面の障屏画がある。上の写真は、そのうちの北側の襖絵である。杉を中心にして、桧や桜の木を添え、画面に変化を持たせようとしているが、やや単調な印象をまぬがれない。

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これは杉の部分を拡大したもの。父永徳の檜図と比べ、全体に繊細な感じが伝わって来る。(紙本金地着色 勧学院客殿襖絵 重文)






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