ブラックホールの撮影に初めて成功

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ブラックホールの撮影に初めて成功したというニュースが入って来た。いまから百年ちょっと前に、アインシュタインが一般相対性理論を発表したことがきっかけで、ブラックホールの存在の理論的可能性が指摘されるようになり、それを裏付けるような間接的な証拠は集められてきたのだったが、ブラックホールそのものを直接撮影した業績はなかった。だから今回の撮影は、宇宙研究上エポックメーキングな意義を持つ。

上の写真(National Science Foundationから)がそれだ。おとめ座銀河群にあるM87銀河のブラックホールである。これを映すためには、世界6各国の8台の天体望遠鏡が協力した。2017年の4月に、五日間にわたって撮影し、それぞれの映像を持ち寄って、解像度の高い映像に合成したという。この映像を得られるまでに二年かかったわけである。

写真のうち、赤い円状のものに囲まれた黒い部分がブラックホールである。ブラックホールは光を反射せず、一方その周囲の塵状物質は光を反射することから、塵状の物質に囲まれた光を反射しない部分がブラックホールだと断定できるわけである。

M87銀河は、地球から5500万光年も離れている。なぜそんな遠いところを観測対象に選んだかというと、この周囲から発せられるミリ波が地球に届きやすいからだという。そのミリ波を分析することで、ブラックホールの存在にうちあたる可能性が大きいことに着目した選択だったそうだ。なんでも無鉄砲にやればいいというわけではないそうだ。

ブラックホールは天体の進化にかかわる重要な現象だ。その研究が進めば、我々の地球が属している太陽系と銀河系の未来も幾分かは明らかになるはずだ。






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