安倍晋三がトランプの特使としてイランへ

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日本の総理大臣である安倍晋三が、わざわざイランまで出かけていって、ホメイニやロウハニなどイラン側の指導者たちと一連の会談を行っているそうだ。これは、安倍晋三の自発的な意思からしたことではなく、アメリカの大統領であるドナルド・トランプに急き立てられてしたのだというふうに伝わって来る。安倍晋三自身も、そうした観測を否定していないから、事実としてそうなのだろう。だからこれは、日本の総理大臣が、外国の政府のために特使をつとめているのだといえよう。

特使には通常、交渉にあたってかなり広範な裁量権が与えられる。裁量権がなければ、微妙な外交交渉など望むべくもない。ところが安倍晋三に、そういった裁量権がトランプから付与されているとは到底思えない。ということは、安倍晋三は、イランには行っては見たが、実質的な外交交渉ができる見込みがないということだ。

そんなにまでしてトランプが、安倍晋三を特使に「任命」したのは、日本とイランとが、伝統的に友好関係にあり、その日本の総理大臣の言うことならば、イランの指導者も少しは耳を傾けてくれるのではないか、という思いがあったからだろう。なにしろトランプは、イランに対して一方的な、それもかなり理不尽なことをしているので、いまは相互の信頼関係はないといってよく、このままでは振り上げたこぶしの落としどころが見つからなくて、場合によっては、大規模な衝突に発展しかねない。

そういう衝突を、どういうわけかトランプは臨んでいなくて、なんとかイランとの間に対話のルートを開きたい。そういう思いから安倍晋三を、自分の特使に選んだのだろうと思う。

しかし外国の指導者に自分の国の外交についての特使をゆだね、しかも、ゆだねるにあたっては、裁量権はおろか、一定の方向性も示しているとは思えない。そんな状況の中で、安倍晋三は、果たしてどこまでまともなことができるだろうか。

トランプの一方的な主張を代弁するだけでは話にならないし、また、日本の考えとして平和への強い思いを開陳するのも、あまり意味があるようには思えない。やり方次第では、安倍晋三は、国際舞台で道化を演じることになりかねない。





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