安倍晋三への返礼に日本船への砲弾攻撃

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安倍晋三がトランプの特使としてイランを訪れたことは、昨日のこのブログでも紹介したとおりだが、その訪問の最中に、こともあろうか日本の貨物船が、ホルムズ海峡において二度にわたり砲撃を受けるという事態が起きた。この攻撃はイランに責任があるとアメリカのポンペオ国務長官は言っているから、おそらくそうなのであろう。もしそうだとしたら、イランはどんな意図に基づいてこの攻撃を行ったのだろう。日本のメディアは例によって、自分たちの想像を超える事態にアタフタしているかのように、いまのところ報道・解説を自制している。

イランは、安倍晋三を受け入れるについては、もしかしたら何らかの成果を期待できると思っただろう。ところが、安倍の口から出て来た言葉は、トランプの意向を忖度したものばかりで、なんら目新しいものはなかった。そういう事態に、イランの指導者がいら立ちを感じたことは想像できる。かりにも一国、しかも世界の大国と一応呼ばれている日本の指導者が、対立しあう両国の間の仲介をしたいという意思を表明して、わざわざイランまでやって来たわけだ。なにかしら、イランにとって受け入れられる提案があるものと、イランが期待したことは理解できる。その期待が無残に打ち破られて、期待が幻滅と怒りに変わったことも理解できないではない。

イラン側にしてみれば、安倍晋三といえども、子どもの使いではないはずだ。だから、トランプを一定程度説得したうえで、イランに受け入れやすい提案を持ってきたと期待していたところに、安倍晋三の口から出て来た言葉は、子どもの使いと全く異ならないものだった。これでは、怒りが嘲笑に変わっても不思議ではない。その嘲笑が、安倍晋三の目の前で、日本船を砲撃するというような、ある種漫画的な事態を生じさせたといってもおかしくはない。

もっとも当の安倍晋三にしてみれば、今回のイラン訪問は、一定の成果を上げたと思っているかもしれない。今回のイラン訪問は、トランプの特使としての立場でのことであり、そのトランプの意向をそのままイラン指導部に突き付けることができたのは、トランプへの忠誠心を世界中に向って表明したのと同じことだ。安倍晋三の最大の目的は、トランプの機嫌をとることにあったらしいから、日本の国益が棄損されてもなお、トランプへの忠誠を貫いたということで、トランプからのさらなる信頼の醸成に、今回のこの事態は役立つかもしれないのだ。





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