陰核は快楽だけではなく生殖にも深く関わっている

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陰核(クリトリス)は、専ら女性の性的快楽に関わるものだと考えられて来たが、実はそれだけではなく、生殖にも深いかかわりがあるということがわかってきた。イギリスの研究者ロイ・レヴィン氏が、最近医学雑誌 Clinical Anatomyに起稿した小論のなかで、そのメカニズムについて報告している。

それによれば、陰核が刺激されることで、その情報が脳に伝わり、大量の血液と酸素が膣に運ばれる。その結果膣が湿潤となり、男根を迎え入れやすい状態になる。同時に、子宮口が反応して、精子がスムーズに卵子をめざすように導くというのだ。

この研究をレヴィン氏が発表したのは、世界の一部でいまだに行われている女性への割礼に警鐘を鳴らすためだという。女性への割礼については、色々な文化的背景があるが、いずれも女性の過剰な性的快楽を阻止することを大きな目的としている。そういう国では、女性が性的快楽を求めるのはみだらなことだという信念が社会全体で共有されているのである。だから、なかなかなくならない。

しかし、割礼による陰核切除が、生殖に悪い影響を及ぼすと理解されれば、そういうばかなことはやめようという機運につながるのではないか。レヴィン氏は、そうなることを切に願っているのだそうだ。





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