永久追放のピート・ローズをトランプが擁護

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野球賭博でMLBを永久追放されたピート・ローズについて、トランプが名誉回復のうえ殿堂入りさせるべきだと主張しているというので、アメリカではちょっとした騒ぎになっているそうだ。アメリカではスポーツ選手に高いモラルを求める風潮があり、トランプの主張が通るかどうか、かなり悲観的といってよいようだ。

それにしてもトランプはなぜ、ローズの名誉回復にこだわるのか。ローズがトランプを支持しているからという見方もあるが、違う見方も当然ありうる。もっとも有力なのは、トランプのアンチ・モラル意識だ。トランプ程、イモラルな行為がもとで非難されている大統領は、これまでのアメリカの歴史にはなかった。女性との不道徳な関係とか、アメリカ国家の利益より自分の個人的利益を優先したりとか。そうしたイモラルな行動が、彼への歴史的な弾劾裁判につながったわけだ。彼は裁判で無罪になったことを理由に、自分は潔白だと主張しているが、アメリカでは裁判で無罪になることと、神に誓って身が潔白であることとは、まったく異なったことだ。

トランプがイモラルなことは、どんなアメリカ人でも知っていることだ。それにもかかわらず彼が大統領でいられるのは、政治家はスポーツ選手ほど高いモラルを期待されていないからだ。

それでもやはり、モラルを云々されることはある。トランプとしては、そう言われて応えるわけでもないが、できれば言われないでいるほうがましだ。言われるのは、アメリカ人がいまだにモラルにこだわっているからで、かれらが皆モラルを気にしなくなれば、自分が悪く言われることもないだろう。

そんな考えが働いて、今回の主張につながったのではないか。スポーツの世界で、モラルが問題にならなければ、ほかの世界、特に政治の世界でモラルが問題になることはもっとなくなるだろう。そうなればトランプとしても、一層胸を張ってイモラルなことができるわけだ。こう考えれば今回のトランプの行動は、自分の将来へ向けての布石といえなくもない。メイク・アメリカ・イモラル、それがトランプ本音のスローガンのよぅだ。





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