トランプのデモ攻撃命令はクーデタの予行演習か?

| コメント(0)
トランプが、オレゴン州ポートランドに軍装した連邦政府要員を派遣して、実力でデモを鎮圧する動きを見せた。トランプはこの動きを、シカゴやアルバカーキでも実施する意向を示している。これに対して、地元当局は、違憲な武力行使だとして批判しているが、トランプは聞く耳をもたない。これらの都市は無法な暴力都市になっているから、法と秩序を取り戻すための必要な措置だと言って、開き直っている。

トランプは、先般も鎮圧に連邦軍隊を出動させようとして、国防長官はじめ軍当局から拒絶された経緯がある。米軍は国民に銃を向けるためにあるのではないという、しごくまっとうな理屈からだ。そこでトランプは、自分の命令に忠実な、いわば私兵を投入して所期の目的を達成しようとしているように見える。

トランプは、今回の事態を通じて、連邦政府にはどのくらい自分に忠実な武力組織が存在するのかどうか見極めたいのかもしれない。かれの将来見通しには、11月の大統領選挙で敗れても、引き続き大統領の椅子に居座り続けるということがあるようだが、その思惑がそうすんなりと実現するとは考えていないだろう。場合によってはクーデタに訴える必要があるかもしれない。

そうなった場合には、新しい大統領を中心とする勢力との間で、内戦状態に入らないとも限らない。そうなった場合には、米軍は中立の立場をとるであろうから、軍以外の実力行使機関を、どちらの陣営がどの程度動員できるかが問題となる。トランプはそうした事態を想定して、自分に忠実な実力部隊を、いわば私兵の形で育成し、その連中に、政敵への攻撃をしかけさせている、と言えるようである。





コメントする

アーカイブ