若年層のテレビ離れ

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若年層を中心にテレビ離れが進んでいるそうだ。NHK放送文化研究所の最新(2020年)の調査によれば、平日に15分以上テレビを見た人は、10~15歳で56パーセント、16~19歳で47パーセント、20代で51パーセントという。この数字からは、若い世代の半数がテレビを見る習慣をもたないことが読み取れる。小生の感覚では、一日に15分ぐらいでは、テレビを見たことにはならないと思うので、若者のテレビ離れはこの数字が示す以上に深刻といえそうである。

この調査を紹介した新聞の文面では明らかでないが、成人や高齢者にもテレビ離れの傾向は見られるようである。人口の絶対数が減少傾向にあるうえに、テレビ離れが進んでいるとあっては、テレビ界としては深刻な問題として受け取らざるを得ないだろう。

テレビ離れの理由はいろいろあるだろう。娯楽が多様化したこと、生活が苦しくなってテレビを見る余裕がなくなったこと、などの事情が重なってテレビ離れが進んだと見ることができる。これはテレビをめぐる環境因子の変化であるが、テレビそのものが面白くなくなったことも大きな要因になっているのではないか。小生などは、あまり楽しみの多いとは言えない老人ではあるが、それでもテレビを見たいという気にはなかなかならない。面白くもないものを見て時間をつぶすほど、無意味なことはないし、だいいち面白くもないものを見ても、一層退屈になるだけだろう。退屈を紛らわそうとしてテレビを見たら、いっそう退屈になったというのでは、笑い話にもならない。

ともあれテレビ界では、視聴率を高めるために色々な手を打ってはいるということだ。たとえば、視聴者層を高齢者を中心に設定し、高齢者が喜ぶような番組を多くする、といったことだ。だが、それでは根本的な対策とはならないだろう。小生が触れたように、テレビ離れの最大の理由がテレビが面白くないことであるなら、面白くするための努力が必要だろう。その努力をせずに、高齢者ならば何をあてがってもありがたがるだろうと決めつけるのでは、その高齢者にも見放されてしまうだろう。高齢者とはいえ、馬鹿ではないのだから。





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