日台間の放水合戦:尖閣問題

| コメント(0)

120917.waterguns_economist.jpg

尖閣諸島をめぐる大騒ぎに台湾も加わってきた。9月25日、40隻ばかりの台湾漁船と当局の監視船が尖閣の領海に侵入してきたのだ。それに対して日本の海上保安当局の巡視船が警告を発し、従わない台湾漁船に放水をしたところ、台湾側の監視船がその間に割り込んで、日本側に放水するという騒ぎになった。

もっともこの時の放水は、意図的に日本側を狙ったものではなかったと、台湾側では言い訳している。たしかに写真をよく見ると、台湾の船は天に向かって放水しており、日本側船舶を狙っていないようにも見える。

日本側では、台湾が中国と一緒になって日本側に圧力をかけているとする見方が多い。しかし、台湾の馬英九政権は、領土問題で日本と正面から争うつもりはないと言っているようだ。台湾が求めているのは、尖閣諸島付近での漁業権を認めてもらうことだというのだ。実際数年前までは台湾漁船に対して日本側が認めていた漁業権を、近年になって中国への懸念を理由に認めないようになったといういきさつがある。それを昔に戻してほしい、というのが台湾側の真意だというのだ。

真意がどこにあるかは別にして、これまで良好だった日台関係が、大きく損なわれるのは防ぎたいものだ。それでなくとも、中国、韓国との間でぎくしゃくしている時だ。その上台湾との間でもめ事が重なるようでは、日本は孤立のリスクを負うことになる。

今回の衝突は放水合戦にとどまったが、なにかの拍子でエスカレートし、大砲の玉を撃ちあうような事態には陥らないで欲しいものだ。そのためにも野田政権は、隣国との間で外交努力を強化する必要がある。(写真はEconomist から)





コメントする

アーカイブ