山中伸弥教授にノーベル賞

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今年(2012)のノーベル賞医学・生理学賞が山中伸弥京都大学教授に贈られることとなった。共同受賞者であるイギリスのガードン博士とともに、細胞の初期化(Reprogramming)に関する研究が評価されたものだ。

教授が iPS 細胞に関する論文を発表したのは2006年8月、それからわずか6年後で、しかも50歳という若さで受賞するのは非常に異例というが、それは教授の研究の持つ革命的な意義を物語っている。

iPS 細胞は、どんな細胞にも分化できる能力をそなえた万能細胞だ。理論上は、人間のどんな臓器や器官も作り出すことが可能である。したがってこの研究が実用化されると、移植医療や再生医療に革命的な進歩をもたらすと期待されている。

山中教授へのノーベル賞の授与は、単に過去の業績に対する敬意の現れと言うより、未来への無限の希望をあらわしたものだと受け取ることができる。

山中教授自身が、そのことを最もよくわきまえていることは、受賞のインタビューの中で、喜びよりも責任を感じると話していたことからも読み取れる。少しでも早く研究を実用化し、多くの人々の命を救いたい、それが医師という職業を選んだ自分の使命だ。そんな決意が伝わってきた。(写真はAFPから)

 





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