中国にあふれる"結婚できない男たち"

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オーストラリアの性行動学者ロブ・ブルックス氏が、「中国にあふれる"結婚できない男たち"」と題する一文をCNNのウェブサイトに投稿している。それよれば、一人っ子政策の影響で、女児を育てる家族が相対的に少なくなった結果、女性に比べて男性の割合が異常に多くなり、配偶者を見つけられない男たちがあふれる現象が生じているという。

こうした現象は、19世紀半ばの中国でも見られた、と氏はいう。その時には大規模な飢饉がきっかけになって、女児を間引く風習が広がり、男女の比率が大きく開き、その結果結婚できない男たちがあふれた。そういう男たちを、中国語では、果実を残せない樹木を意味する「光棍」と呼んだが、それらの「光棍」たちは「捻軍」とよばれる無法集団を形成し、あるいは「太平天国」の運動の担い手となって、清朝崩壊の最大の原動力となった。

中国では、2020年までに結婚適齢期を迎える男たちは、女たちより3000万人も多くなると予想されている。この連中が、"結婚できない男たち"となって、社会不安の一大要因となる可能性は大きいと、氏は予測している。

中国の男たちが結婚できなくなる理由としては、人口の性別アンバランスのほかに、格差の拡大によって貧困に追いやられる層が増加していることも見逃せない、と氏はいう。

貧困によって結婚できない人々が増えるという問題は、日本でも起きていると思われる。日本の若者たちの多くがワーキングプアの境遇に追いやられ、結婚したくてもできない、結婚しても子供を育てられる展望を持てない、といった人々の層が増えている。他人ごとではない。


関連サイト:中国を語る 





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