中国の新興宗教「全能神」

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中国の新興宗教「全能神」が社会不安を煽り立てているとして、当局が取り締まりを強化しているそうだ。新華社通信によれば、最近一週間で、青海省で400人の身柄が拘束されたほか、福建、広東、四川、湖北、江蘇などで計100人を超えた。

「全能神」とは、キリストの生まれ変わりといわれる女性を崇拝するもので、教義の中でも、マヤの予言というものが特徴だとされる。これは、2012年12月21日を以てマヤの暦が中断していることを理由に、この世の終末が近いとする教えだ。この世の終末に臨んで、今までの罪を悔い改めるように呼びかけたり、また、中国共産党を赤いドラゴン「紅龍」と呼んで、それとの戦いを呼びかけたりしている。成員数は明らかでないが、数千とも100万ともいわれ、主として中国西北部を拠点にしているらしい。

共産党が、この新興宗教を「邪教」と呼んで、取り締まりを強化しているのには、相当の訳がある。太平天国の運動が清朝を滅亡に追いやったように、中国では広範な民衆運動が、腐敗した政権を打倒してきた歴史がある。だから支配者は、民衆の反体制運動が強くなる前に叩いておこうと、躍起になるわけだろう。法輪功が登場した時にも、中国共産党は大々的に弾圧したものだ。

ところで、マヤの予言にある終末の日は、もうすぐ近くに迫っている。(まさしく明日だ)そこで、信者たちの動きが活発化する一方、終末の到来を本気で信じ、どうしたら生き残れるか、考えをめぐらす人たちも多いという。たとえば、写真(AFPから)にあるのは、サバイバル・シェルターだが、一個数千万円もするこんなシェルターが、飛ぶように売れているというから、中国人と言うのは、信心深い人たちだと思ったりもする。

(追記)日本時間20日夜の段階で、被拘束者の数は1000人に達したそうだ。

(参考)Chinese authorities arrest dozens for spreading Mayan apocalypse rumours By Jonathan Kaiman:Guardian


関連サイト:中国を語る 





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