インド集団レイプ事件のおぞましさ

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インドのニューデリーで先日発生した集団レイプ事件には、インド事情に詳しくない筆者などには、わからないことが多すぎる。まずこの手のレイプ事件が、インドでは珍しくなく、事件が起きたニューデリーでは、女性は常にレイプの危険にさらされていると報道されていることが一つ。もう一つは、この事件を契機にして多くのインド人がデモンストレーションに立ち上がり、この事件をめぐる政府の微温的な対応に、ノーをつきつけていることだ。

事件そのものは、今の日本に生きている筆者には、想像だにむつかしいほどの、おぞましさに満ちている。なにせ、バスに乗ってきた若い男女に、6人の男たちが襲い掛かり、男性をバスから突き落とした後に、女性に集団レイプを働き、女性の性器にパイプを突っ込むなどした挙句に、女性をバスから突き落としたというのである。鬼も赤面させられるような残忍さである。

この事件が世間に伝わると、人々の強い怒りを呼び、その怒りが巨大な炎となって、大規模なデモに発展した。そうなったことの背景には、この事件について、インド政府が当初後ろ向きの姿勢を取ったことがあるという。この手の事件はインドではめずらしいことではない、だから何も特別の対応を取る必要もない。そのように政府は考えているのではないか。そのような疑心が民衆の間に生まれ、それが大規模な政府批判デモにつながったようなのだ。

デモをする人々は、加害者の厳罰を求めているという。日本でなら、こんなことをすれば、厳罰に処せられるのは当たり前だ。だから、こんな事件が起きたからと言って、人々が加害者の厳罰を求めてデモをするなどは、ほとんどありえない。そのありえないことが、インドではありえたわけだ。

というのも、この事件が起きた後でも、女性への集団レイプ事件は続発し、それに対して、何か有効な対策がとられている形跡がない。そのことについての民衆の怒りも、いままではありえなかったことをありえさせた原動力になっているのだろう。

このデモがおきたことで、政府もようやく集団レイプ事件にまじめに取り組み始めたという。ついに死んでしまった犠牲者の女性に哀悼の意を表する一方、加害者の男たちを殺人罪で起訴した。これもいままでのインドでなら、ほとんどありあえなかったことだという。こんなことは日常茶飯事で、まともに取り上げるに値しないことだったというわけだ。

それにしても、インド社会というのは一体どうなっているのか。とにかく筆者にはわからないことが多すぎる。(写真は集団レイプ事件をきっかけにデモをする人々:CNNから)





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沖縄の米軍もそうだし、イラクの米軍の委託を受けてる民間警備会社の事件もそうでですが、罰せられないと女性に対する暴行はエスカレートするケースはよくみられますね。戦中の従軍慰安婦もこういう風なケースがあったと聞きました。

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