ロシア人俳優ジェラール・ドパルデュー(Gérard Depardieu)誕生

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巨大な鼻で知られるフランス人俳優ジェラール・ドパルデュー(Gérard Depardieu)氏が、このたびロシアの国籍を取得し、晴れてロシア人になることができたそうだ。これで、フランスの高い税金から逃れて、稼いだ金を存分に自分のために使うことができる。氏はそういって、ロシア人になれたことを喜んでいるという。

「私はこの45年で1億4500万ユーロも納税してきたんです」というように、氏はこれまでも、多額の金を税金として納めてきた。ところがフランス政府はそれでも足りないと思っているのか、所得税の最高税率をさらに引き上げようとしている。それは、自分の才能で金を稼ぐことを罰するような行為だ。氏はそういって、フランス政府を厳しく批判し、昨年の暮に、フランスの国籍を放棄すると宣言したのだった。

それに対してフランス政府は、金持が相応の負担をするのはフランス国民として当然のことだ。税金逃れのために他国の国籍を取得しようとするのは、反愛国的な行為だと非難している。

ロシア大統領プーチンが、ドパルデュー氏にロシア国籍の付与を認めたのには、いくつかの背景があると事情通は推測している。その一つは、ロシアの暮らしやすさをアピールすることだ。欧米に比べロシアの税金は安い。所得税は、収入の多寡にかかわらず一律13パーセントだ。消費税も社会保障関連税も欧米より安い。だから市民は稼いだ金の大部分を自分で使うことができる。つまり、ロシアは自由の余地が大きな国なのだ。それ故、ヨーロッパの他の金持ちも、ロシアの国籍を取得するメリットは十分にある。

今までは、ロシアの金持ちが外国に出て行く例ばかりが目立った。そのなかには政治的な理由によって亡命同様に出て行ったものも多いが、これからは、外国の金持ちがロシアにやって来てほしい。ロシアは彼らの期待に十分こたえるであろう。そうプーチンは強調する。

さて、ロシアが税金を安くしていられるのは、豊富なエネルギー資源が存在しているおかげだ。石油や天然ガスを外国に輸出した売り上げで国家財政の大部分をまかなうことができる。それ故市民の税金を低くできているわけだ。プーチンの威信はだから、エネルギー資源がもたらす恩恵という側面もあるわけだ。(写真はPravda.ru から)


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