豊穣たる熟女たちと箱根神社に詣でる

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昼食を食べ終わった後、箱根神社にお参りしようということになった。新年会を兼ねた旅行だから、初詣気分の延長だったのかもしれない。

箱根神社へは、一の鳥居から波打ち際の通りを直進すればよいところを、我々は鳥居下の表示を読み間違えて山の中に入り込んでしまった。そのおかげで大層遠回りをして、倍以上の時間がかかったが、まあ半分散歩のつもりだから、そうは気にならない。

箱根神社には、本社のほかにいくつもの神社が合祀されていた。明治時代に行われた神社合祀の結果だろう。この神社合祀の件については、先日南方熊楠の書いた神社合祀反対意見と言う文章を読んだばかりだ。熊楠は神社合祀によって多くの神社が滅却され、それに伴って日本の貴重な森林が破壊されることを畏れて、反対運動に立ち上がったのだった。いわば日本における自然保護運動の先駆者のようなものだったわけだ。

本社は小高い丘の上にあり、周囲を森閑とした森が取り囲んでいた。日本の神社はこれでなければいけない。日本の神社は、本体建物だけを取り上げれば、西洋の石造のモニュメントに比較すべくもないが、森林を含めた神域全体として見れば、世界に誇りうる文化遺産だ、そう熊楠先生も論じていた。まことにその通りだと思う。

参詣後一の鳥居のところまで戻り、そこのバス停から湯本行のバスに乗った。このバスにもフリーパスが使えるよ、と筆者が言うと、熟女たちは、随分お得なフリーパスね。これで、新宿まで往復できるほかに、登山鉄道や、ロープウェー、それに今日は乗れなかったけれど海賊船にまで乗れて、その上バスまでただなんですもの、と口を揃えて云うのだった。

T女は来週ご主人と一緒に強羅に遊ぶ予定だと言うので、その際は芦ノ湖まで足を延ばすつもりかいと聞くと、泊った翌日はまっすぐ帰るつもりなのという。それだとフリーパスを買うまでもないね、そう筆者はいったのだったが、たしかに、小田急の乗車賃と強羅までの登山鉄道料金を足しても、フリーパスの値段には達しないようなのだ。

湯本につくと、温泉街を歩き、土産物屋を覗いて歩いた。熟女たちは思い思いの買物をしていたようだが、筆者は温泉まんじゅうの小さな箱詰を買っただけだった。

駅構内の喫茶店で一休みし、4時47分発のロマンスカーに乗った。座席に座るとどっと疲れが出てきてつい居眠りをしてしまった。隣に座ったY女も、すっかり眠り込んでいた。あとで聞いたらバスに揺られて酔ってしまったのだそうだ。そういえば、バスの通った道は箱根駅伝のコースに重なり、とてもカーブが多かった。それで酔ったのだろう。ところが日頃バスに弱い筆者は、なぜかこの日は酔わなかった。

新宿に着く前に目をさまし、皆を小宴に誘ったところ、お腹がすいてないし、ほかにやりたいこともあるのでこのまま帰るという。T女などは箱根で買ったお土産を、新宿曙橋付近に住んでいる娘に届けて遣りたいのだといった。

そんなわけで、新宿駅で解散した次第。この次は桜の咲く頃に、日帰りのハイキングでもしましょう、そういって別れたのであった。


(関連サイト)豊穣たる熟女たち 





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