女性が坊主頭で謝罪の異様さ

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先日、人気ポップグループAKB48のメンバー峯岸みなみさんが坊主頭になって、なにかをしきりに謝罪している様子がテレビに映し出され、事情のわからない筆者などは実に異様に感じたものだ。謝罪の意思表示として頭を丸めることは、一部のマッチョの世界ではあると聞いていたが、まさか若い女性がそんなことをするとは思いもよらなかったからだ。女性が頭を丸めるのは出家するときだけで、それ以外のケースではありえないことだといってよい。そのありえないことが起きたわけだから、驚きも大きかったわけである。

そこで彼女が何を謝罪していたかというと、ボーイフレンドと交際しているところの映像を週刊誌に載せられたことだというのだから二重の驚きだ。AKB48というグループは、プロモーターの戦略に基づいて、男性との交際を禁じているらしく、それを破ったことが申し訳ないということらしいのだ。しかし、いくらグループの取り決めを破ったからと言って、何も頭を丸めるまでもあるまい、それが筆者など普通の老人の受け止め方だ。

どうも彼女はグループの掟を破ったことに対する罪悪感よりも、それによってグループを除名されることの恐怖感の方が強いように思われた。その恐怖感が、彼女にこんな異常な行動をとらせたのだろう。

この事件は筆者のような日本人にも異常に映るのであるから、まして外国人の目には理解しがたいことに違いない。英紙ガーディアンもさっそくこの事件を取り上げ、峯岸さんの謝罪の異様さに驚くとともに、このような謝罪の方法を迫るという日本の芸能社会に対する批判をも行っている。AKB48と言うグループは、社会的な常識とは外れたところで、自分たち独自のモラルを作って、それを会員に強制している。グループからの排除を畏れる会員たちは、そうしたモラルがどんなに異常であっても従う。そこにある種の不気味さを見るというわけだろう。

女性が坊主になるという話題は、今ヒット中の映画「レ・ミゼラブル」でも出てくる。この映画の中で、アン・ハサウェイはわずかな金のために豊かな髪を売って坊主頭になるばかりか、歯まで売って金を稼ぐ。そしてそれでも金が足りなくて、しまいには売春婦の境遇に身を落す。だからこの映画では、女性が頭を丸めることは、買春と同じような意味合いにとられているわけである。

それ故、峯岸みなみさんのとった行動は、少なくとも英米人の目には、限りなく理解を超えたこととして映ったに違いない。(映像は泣きながら謝罪ずる峯岸みなみさん:YouTubeから)

(参考)Japanese pop star shaves head in apology - for night with boyfriend





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