成功(Success is counted sweetest):ディキンソンの詩から

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エミリー・ディキンソンの詩から「成功(Success is counted sweetest)」(壺齋散人訳)

  一度も成功したことのない人にこそ
  成功はこの上なくすばらしく映る
  喉の乾ききった人こそが
  ネクタルのかけがいなさをわかるように

  戦いの軍列のなかにあって
  いま旗印を掲げている者のうち
  勝利の栄光について
  断固として語れるものは誰か

  それは敵に打ち砕かれて
  まさに死につつある者だ
  その者の耳にほど勝利の雄叫びが
  痛切に鳴り響くことはないからだ


喜びや誇りの度合いについてうたった詩だ。深い喜びは強い苦痛が伴っていればいるだけ、その深さをます。苦痛を知らぬ人には、真の喜びはわからない。


  SUCCESS is counted sweetest 
  By those who ne'er succeed. 
  To comprehend a nectar 
  Requires sorest need. 
  
  Not one of all the purple host        
  Who took the flag to-day 
  Can tell the definition, 
  So clear, of victory, 
  
  As he, defeated, dying, 
  On whose forbidden ear        
  The distant strains of triumph 
  Break, agonized and clear.


関連サイト:フランス文学と詩の世界  





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