小津安二郎生誕110周年

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今年(2013年)は、日本が世界に誇る映画監督の一人小津安二郎の生誕110周年ということで、松竹を中心に様々なイベントが計画されているという。中でもその目玉は、小津の代表作をデジタルで再生し、それを劇場上演することだ。いまのところ、今週から始まるカンヌ映画祭に、小津の最後の作品「秋刀魚の味」が特別上演されるほか、ヴェニス映画祭では「彼岸花」の上映が予定されているという。また国内では、11月以降に東京神保町シアターで小津作品の集中上映が予定されているそうだ。

小津安二郎と言えば、溝口健二や黒沢明と並んで、日本の映画芸術のチャンピオンのような存在だ。溝口や黒沢とは異なった切口で、日本人の伝統的な美意識をスクリーンの上で展開し、そのことが世界中の人々の共感を呼んだ。日本というローカルな空間をとことん追求することで、そこから人類に普遍的なものを剔出しようとした芸術家だ、そんな評価がいまや定着している。

それ故、小津の映画の世界は、日本人が見て損しない世界であり、むしろ、見ないですまされるような世界では絶対ない。

筆者もそんな気持から、最近小津の作品をぼちぼち見始めたところだ。見ての印象批評はそのたびにこのブログで紹介していきたいと思っている。(画像の女性は「秋刀魚の味」の岩下志麻)





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