病の起源:進化医学の発展

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ガン、糖尿病、腰痛、アレルギーなど、人類は様々な病気に悩まされているが、こうした病気の中には、人類特有といえるものがある。たとえば腰痛。これは人類の兄弟分たるチンパンジーには殆ど見られないのに対して、人類では実に四人に三人の割合で悩んでいる。これは、人類が二足歩行したことによってもたらされたものだ。このように、人類の進化の代償としてもたらされた病気が沢山ある。そうした病気のメカニズムを解く学問を進化医学というが、この医学によって病気に新しい光があてられ、ついては今後の予防につながっていく可能性があるのではないか。そんな期待を込めて、NHKが進化医学の現状を紹介していた。NHKスペシャル「病の起源」シリーズがそれだ。その第一回目が先日(5月18日)の夜放送され、筆者は興味深く見た。

人類がチンパンジーと共通の祖先から枝分かれしたのは700万年前。そのときから二足歩行をしていたと考えられる。これによって人類はまず腰痛と云う病気を背負い込むことになった。

360万年前には現生人類の祖先といわれるアウストラロピテクス・アファレンシスが登場したとみられるが、このころに人類はガンにかかりやすくなったらしい。というのも、この祖先たちの頃に、人類は一年中繁殖活動をするようになったとみられ、それを可能にするために、男性の精嚢が一年中精子をつくるように進化したのだが、その進化のメカニズムがガンを発生させるようになったと考えられるのだという。

250年前頃になると、狩猟技術の発達などによって、人類は肉などのやわらかいものを食べるようになり、それによって顎が小さくなった。その結果喉と舌の構造に変化が生じ、言葉を話しやすくなった半面、喉が長く狭くなって、睡眠時無呼吸症候群になりやすくなった。仰向きに横たわると下の根元が喉を塞いでしまうからである。

こんな具合に、人類は進化を重ねるたびに、それに応じて新しい病気の種を獲得していった。だから病気は人類にとって進化の代償と言える側面を持っている。第一回目ではこういったうえで、二回目以降では個々の病気にスポットライトをあてて、それらの進化とのかかわりについて検証して行きたいといっていた。是非期待したいものだ。(映像は番組から)





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