シラケた人は棄権した:2013東京都議選

| コメント(0)
2013東京都議選は自公完勝に終わった。自民党は59名、公明党は23名擁立した候補者全員が当選し、合わせて127議席中82議席を獲得した。文字どおり完全勝利である。自民党がこんなに多くの議席を獲得したのは、平成になって以降初めてのことだ。一方、従来の都議会第一党だった民主党はたったの15議席で、17議席の共産党にも及ばなかった。まさに壊滅的な敗北だ。

この結果を踏まえて、自民党にはアベノミクスが評価されたとする見方が支配的で、一部のマスメディアもそれを後押ししているが、数字に表れているほど、有権者が安倍自民党を支持していると見るのは短絡的だろう。自民党は完勝したといっても、実際に獲得した票は、全有権者の6分の1に過ぎない。残りの6分の5は、すくなくとも積極的には、自民党を支持していないのである。

今回の都議選の最大の特徴は、棄権が過去最大になったことだろう。投票率が43パーセントしかなかった。ということは、半数以上の人々が棄権したということである。何故棄権したのか。要するに投票したい政党がないからだ。自民党には批判的な人でも、自民党に代る受け皿がなかった。だから棄権に回ったという人が多かったのではないか。

民主党が受け皿になれなかった原因は明らかだ。東京都の有権者は、平気で嘘をつく政党を信用しないのである。また、一時期は勢いのあった維新の会が失速したのも、代表者たちの言動が災いしたといえる。東京都の有権者は、下品な言動を繰り返す政治家も信用しないのである。

こんなわけで、都議選は現在の日本の政治状況に対する厳しい審判の意味合いをもった。無責任な政党は生き残ることができないという、ある意味当たり前のことを思い知らせたとともに、政権にあるものは、たえず有権者の声に謙虚に向き合うことを求められる、ということを示した。

結局、今回の都議選を制したのは、都民のシラケ感情だということになったようだ。シラケた都民がそろって棄権したというのが、今回の選挙の最大の特徴だ。


関連サイト:日本の政治 

 





コメントする

アーカイブ