ブラック企業と自民党

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飲食店チェーンを展開する「ワタミ」は、若者の間でブラック企業の代表格になっているそうだ。ところがその会長の某氏を、安倍自民党が参議院選挙の比例代表候補にするという。どういうつもりなのか、不可解なところが多いが、某氏が前回の都知事選に立候補し、一定の投票を得たことを評価しているのかもしれない。

その某氏が、自分の会社はブラック企業ではないと、HP上で「大反論」しているそうだ。しかしその根拠は、とうてい常識ある人の理解をえられるものではあるまい。

まず、ブラック企業が問題とされる場合の最も大きな要因である離職率。これについて、某氏は、自分の会社の新規採用職員の三年以内離職率は42.8パーセントで、宿泊業・飲食サービス業の全国平均48.5パーセントを下回っていると胸をはっているが、これが胸を張れる数字と言えるのか、普通の人には合点がいかないだろう。(新採社員の4割以上が3年以内にやめる企業など、だれがどうみても、異常だ)

ついで大きな問題となっている長時間労働については、平成24年度の月平均残業時間は38.1時間で、労働基準法にもとづく36協定の限度45時間を下回っていると胸をはっている。しかし、36協定はぎりぎりの限度について定めたもので、それを下回ればよいというものではない。それに労働基準法は、年間360時間を超えてはならぬと定めてもいるが、ワタミの場合には、こちらの基準からははみ出しているわけである。(これらはあくまでも表向きの数字で、いわゆるサービス残業は含まれていない)

ついで、年収。平成24年度のワタミの平均年収は433万円で、宿泊業・飲食サービス業の全国平均370万円を上回っていると胸を張っているが、これが長時間労働の残業代を含んだ数字であることを考えると、どこまで胸を張れるのか、あやしいところだ。





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