エミリー・ディキンソンの詩から「この世で終りにはならない(This world is not Conclusion)」(壺齋散人訳)
この世で終わりにはならない
あちらにももうひとつある
音楽のように目に見えないけど
音のようにたしかに
それは手招きするがはねつけもする
哲学にもわからない
結局謎の中を
智慧は通らねばならないのだ
それを想像しようとして学者は悩み
それを得ようとして人々は
幾世代にわたってさげすまれ
十字架を演じてきた
信仰はつまづいたり、笑ったり、持ち直したりする
誰かが見ていれば赤面し
証拠の小枝をもぎり取り
風見に道を聞いたりする
祭壇からは大げさな身振りが見え
はでなハレルヤがこだまする
麻酔剤でもしずめられない
魂をむしばむ歯の痛みを
この世が終わった後に待ち受けているあの世と言うものがはたしてどんなところなのか、詩人は不安をもって詮索していく。答えのみつからない詮索だ。
This World is not Conclusion.
A Species stands beyond --
Invisible, as Music --
But positive, as Sound --
It beckons, and it baffles --
Philosophy -- don't know --
And through a Riddle, at the last --
Sagacity, must go --
To guess it, puzzles scholars --
To gain it, Men have borne
Contempt of Generations
And Crucifixion, shown -
Faith slips -- and laughs, and rallies --
Blushes, if any see --
Plucks at a twig of Evidence --
And asks a Vane, the way --
Much Gesture, from the Pulpit --
Strong Hallelujahs roll --
Narcotics cannot still the Tooth
That nibbles at the soul -
関連サイト:英詩と英文学
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