マララさんが国連で演説

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昨年(2012年)10月、女性の教育権を訴えたことでタリバーンの怒りを買い、頭に銃弾を受けたパキスタン少女マララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)さんが、16歳の誕生日を迎えた7月12日に、国連本部で演説を行い、「テロリストに口を封じられることはない」と力強く語ったそうだ。

マララさんの勇気をたたえたパン・ギムン事務総長のはからいで、この日を「マララの日」と定めた国連は、彼女の勇気をきっかけにして、世界中で女性の教育権が確立されていくことを目指しているという。

それにしても、マララさんはまだ16歳だというのに、しっかりした信念を抱いている。そのマララさんをタリバーンは依然標的にしていると公言しているそうだ。

イスラム圏社会は概して、女性に対して抑圧的だといわれるが、タリバーンの場合には半端ではない。女性はあくまでも男性の付属物であって、独立した存在とは見なされていない。だから女子教育などもっての外であるということになる。女性の教育権を訴えるようなものは、性別を問わずタリバーンの敵であり、ましてや女性がそんなことを主張するのは絶対許されない。そういう女性に相応しいのは死のみだ、というわけである。筆者などには、とても理解の及ぶところでない。

なお、マララさんがタリバーンから狙われるに至ったのには、それなりの背景がある。彼女はすでに11歳にして、アメリカのパキスタン特別代表リチャード・ホルブルックに、パキスタンの女性教育の普及を後押ししてくれるように訴えた。その後、BBCのウルドゥ語のブログ・サービスを通じて同様の訴えを続け、15歳の時には、ノーベル平和賞受賞者デズモンド・ツツと交流するようになり、ツツを通じて、自分自身もノーベル平和賞の候補者になるまでになった。そんな彼女の活動ぶりが、タリバーンの目には、それこそ目に余ると映ったようだ。

彼女は現在、イギリスを生活の拠点にしている。(写真は国連で演説するマララさん:AFPから)







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