ドイツのヘイトスピーチ

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東京のコリアンタウン新大久保などで、在日韓国・朝鮮人に対して日本のレーシスト団体が行っているヘイトスピーチが問題になっているが、同じような現象はドイツでも起きているようだ。ただ、あちらの方は旧植民地からの在留民ではなく、国内に流入して来る難民を対象にしたものらしい。

シュピーゲル(WEB版)の報道によれば、先日ベルリンのヘラースドルフ地区で、難民の排撃を訴えた、極右政党のヘイトスピーチ・デモが行われた。そのデモには、ドイツ国家民主党(NPD)の党員ら250名ばかりが参加して、難民たちを口汚くののしっていたそうだが、興味深いのは、そうしたレーシスト達に反対する人々がカウンターデモを組織して、レーシストたちを非難していることだ。先週は両者が衝突し、そのあおりで警察官が大怪我をしたという。

NPDが問題にしているのは、単に難民の流入という事象に止まらない。難民の流入を許しているドイツ政府の政策が、まるで難民の流入を奨励しているように見えるということだ。ドイツ人の中にも生活の苦しい人々はいくらでもいるのに、ドイツ政府は彼らのことはほったらかしにて難民の世話ばかりしているという不満が底流としてあるようだ。

NPDは、難民の流入を政治問題化することで、市民の中での難民への恐怖を煽り立て、自分たちの政治的立場を強化することを企んでいる、そんなふうに分析するものもいるようだ。なお、目下のところ、問題になっている難民は、シリアやアフガニスタンから逃れてきた人々ということだ。

ドイツも日本も、人権抑圧の不名誉な歴史を背負っている。両国とも、ヘイトスピーチが野放図にまかりとおるようだと、またぞろ不名誉な歴史を積み重ねることになりかねない。(写真はAFP から)







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