メルケル三選:ドイツ総選挙

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9月22日に行われたドイツ総選挙の結果メルケルのキリスト教民主・社会同盟(CDU)が40パーセントを超える票を獲得して第一党になり、メルケルが引き続き首相に選ばれることとなった。一方、これまでの連立相手だった自由民主党(FDP)は、法定要件(5パーセント条項)をクリアすることが出来ず、議会から消え去ることとなった。これにともないメルケルは新たな連立相手を見つけなければならなくなる。今のところ社会民主党(SPD)との大連立や、緑の党との連立などが選択肢として控えている。

今回のCDUの勝利は、アデナウアーやコールの全盛期に匹敵する勝利といえるが、それは党の勝利というよりもメルケルの勝利だという見方が強い。国民は彼女の堅実な政治手腕を評価したという見方だ。彼女は単に堅実な政治運営をするのみならず、ドイツの保守主義政党たるCDUの改革にも取り組んできた。その結果CDUはかつてのようなごりごりの保守政党というイメージを脱して、幅の広い国民政党というイメージを強めてきた。それがまた広範な国民の支持を集めた要因にもなったようようだ。

選挙に勝利したとはいえ、議席の過半数を占めたわけではないので、当然連立政権を組む必要がある。今のところ連立相手になりうるのは、SPD、緑の党、左派党の三つだが、左派党は共産主義者が中心の党なので事実上連立の可能性はない。SPDと緑の党とでは緑の党の方が左派色が強いので、メルケルとしてはSPDとの連立を模索することになると思うが、当のSPDはCDUとは政策上の違いが多く、調整に時間がかかるものと思われる。いずれにせよ、FDPとの連立政権よりは左派色が強まることは間違いあるまい。ということは、メルケルの堅実政策に変化が現れる可能性があるということだ。(図表はDer Spiegel から)







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