同性愛者としても知られる高名なイギリス人歌手エルトン・ジョンが12月6日にモスクワでコンサートを開催すると言うので、モスコワッ子の間で大評判になっている。しかし中にはこれを面白く思わない人もいるようで、とりわけ、ロシア正教会は大反対しているそうだ。ロシア正教会によれば、同性愛は神への反逆である。その反逆行為が神のおひざ元たるモスクワで行われることは神の嘉したまわぬことだ、というわけである。
一方エルトン・ジョンのほうでは、今回のコンサートは、ロシアにいる同性愛の同志たちへの支援活動だと公然と言い放っている。彼らはただでさえ社会の日陰者なのに、同性愛取締法が制定されてからは、理不尽な差別と暴力にさらされるようになった。そんな彼らを激励する意味をこめてコンサートを行うのだと意気盛んである。
これに対してロシア正教会のスポークスマンは、政府当局が同性愛取締法を発動して、エルトン・ジョンにコンサートをさせないよう圧力をかけている。プーチンとしても、同性愛の宣伝をされるのは困り者だが、かといってエルトン・ジョンに露骨な妨害行為をすることで世界中の世論を敵にまわすことも避けたい。なにしろソチ・オリンピックを目前に控えているいまは、面倒な騒ぎは起こしたくないのだ。
そういうわけで、エルトン・ジョンのモスクワ・コンサートは予定どおり行われる可能性が高いという。（写真は Guardian から）
関連サイト：エルトン･ジョン Elton John
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