勝っても負けても絵になる男:田中将大投手が30試合ぶりの敗北

| コメント(0)
勝っても負けても絵になる男、なんてそうあるものではない。昨年から今年にかけて、ポストシーズンを含めて29連勝中の楽天田中将大投手が、日本シリーズ第六戦の舞台で、敗北を喫した。その負けっぷりが絵になったというので、日頃プロ野球ファンであった人々をうならせたのは無論、あまりプロ野球に興味をもたない人も、思わずうなったのではないか。

何しろ、楽天がシリーズ優勝に王手をかけた試合で登場し、チームメイトに先取点をプレゼントしてもらったとあって、その時点で誰もが楽天の優勝を疑わなかっただろう。それほど今の田中将大投手には勢いがある。

結局巨人に逆転を許し、田中神話にブレーキがかかった形だが、人々をうならせたのはその後の田中の態度だ。田中は楽天が負けた理由を自分の未熟さに帰して、一切言い訳をしなかった。言い訳をするどころか、投げ過ぎを心配して交代を考えたベンチに続投を志願し、味方の再逆転を信じて160球を投げ続けた。そんな態度が人々をうならし、ますます田中の株を上げた。

人間というものは意気に感じる生き物だ。誰にも意気を感じさせる男。そんな男はいまどき滅多に見られない。







コメントする

アーカイブ