仕官学校(École de guerre):コクトーの八つの歌

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コクトーの八つの歌から「仕官学校(École de guerre)」(壺齋散人訳)

  人生は何て退屈なんだ
  この朝の5時半に
  毛布にくるまってるなんて

  伝染性のラッパの音が
  兵営中に鳴り渡る
  まるで疫病のように

  この青銅の雄鶏の悲しげなことよ
  天使が自転車をこいで
  まぐさの中から飛び出してきて
  膨大な電報を運んでいくよ

  しゃがれたラッパの音が
  この巨大な建物に反響する
  起きなよ 寒いけど
  観覧車に乗ってる旅人たちよ

École de guerre とは軍人の幹部を養成する学校。仮に士官学校と訳したけれど、フランスの士官学校は、三軍の幹部を養成するところらしい。

この詩は、その士官学校の生徒たちの生活をテーマにしたものらしい。学生たちが未明に毛布にくるまっていたり、兵営中に起床ラッパらしいものが鳴っているところはイメージできるけれど、天使が自転車をこぐというのは、どういうことだろうか。

また最後のところで、起きなよ、と呼びかけられているのは、誰だろうか。学生だろうか。そうだとすれば、観覧車に乗っている旅人とは、その学生の見ている夢のことだろうか。夢の中で観覧車に乗っていい気になってないで、早く起きろよ、ということだろうか。


École de guerre 

  Que la vie est ennuyeuse 
  à cinq heures et demie 
  de ce petit matin en berne 

  Les dianes contagieuses 
  se propagent dans les casernes 
  comme une douce épidémie 

  Dieu que ce coq de cuivre est triste 
  l'ange cycliste 
  sort de la crèche 
  pour envoyer mille dépêches 

  La pauvre Diane s'enroue 
  dans cette énorme bâtiment 
  Réveillez-vous frileusement 
  voyageurs de la Grande Rou



 





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