内閣府が実施した北方領土問題に関する特別世論調査の結果、官民による北方領土返還要求運動について「参加したくない」と答えた人は59.5%だった、という報道を読んでいささか考えさせられた。尖閣や竹島と比べると、北方領土に対する国民の関心が薄くなってきたということか。もっとも2008年の前回調査でも59.4%と、今回とほぼ同じだったそうだから、薄くなったというよりは、もともと薄かったということかもしれない。
参加したくないということであって、そもそも関心がないということではないから、そう深刻に受け取ることはない、といえないでもないが、それにしては、この数字は深刻だ。竹島や尖閣がホットな関心の対象であるのと比較すると、どういうわけか。まさか国民の多くが、ロシアによる北方領土の侵略という事態に、なかばあきらめに近い感情をもってしまったということなのか。
政府はこの事態を深刻に受け止めるべきだ。とかく、韓国や中国が相手だと威勢のいい態度をとるくせに、相手がロシアだとすっかり紳士的になってしまう。紳士的になるのはいいが、相手に付け入られてはならない。そんなへっぴり腰な態度を政府がとり続けているから、国民の多くも自分のこととして受け止める気にならないのではないか。
この問題は決して風化させてはならない。
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