願望は事実に優先する?:安倍首相の熱い思い

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国産メーカーが開発する自動運転車に試乗した安倍首相が、その性能に感心し、「さすが日本の技術は世界一だなということを体で感じさせていただいた」と満足げに語ったとメディアが伝えたところ、さっそくネット住民たちから「Googleのほうがずっと進んでるだろ!」とツッコミが入りまくったそうだ。

実際その通りで、自動運転車に関する技術開発は、Googleが世界最先端を走っており、日本はそのはるか後塵を拝しているというのが現状だ。にもかかわらず、安倍首相がこんなことをいうのはどういうわけか。まさか、この分野の現状について何も知らないということでもあるまい。

もしかしたら、こういうことで日本の技術者たちにハッパをかけているつもりなのかもしれない。自分がそういえば、技術者たちものんべんだらりとはしていられまい、そんなふうに思って、わざとこんなことを言っているのかもしれない。

あるいはそうではなくて、本気でそう思っているのかもしれない。なにしろ何でも世界一でないと気にすまないたちのようだから、日本の技術水準がもっとも輝かしさを誇る自動車の分野で世界一でないはずがない。そうした願望が底にあって、こんな発言に結びついたのかもしれない。願望と事実とを取り違えることは、心理学者に言わせれば、大いにありうる心理現象のようだから。

そうだとしたら、願望に支えられた安倍首相の熱い思いが、事実に優先したということになりそうだ。安倍首相が願望と事実をごちゃまぜにするのは、福島原発の放射能汚染問題でも、観察されたところだから。








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