中国が一人っ子政策を緩和

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中国で1970年代から続けられてきた「一人っ子政策」を、更に緩和することになった。その結果、これまで夫婦とも一人っ子の場合に認められていた二人目の出産を、夫婦のいずれかが一人っ子のケースにも拡大されることになる。

緩和の背景には、このまま一人っ子政策を続けていくと、人口構成のアンバランスが一層進み、近い将来に深刻な少子高齢化社会が出現し、その結果成長にも暗雲がさすとの懸念が強まったことがあるといわれる。

だが、緩和されたからといって、このように限定的な緩和では、人口増にどれほどの効果があるか疑問だという意見もある。実際これまでの一人っ子政策も厳格に運営されてきたわけではなく、抜け道はいくらでもあったわけで、今回の緩和はその抜け道に一歩近づけただけだという理屈もある。

たしかに、これまでに一人っ子政策がそれなりに厳格に運営されてきたら、中国の人口は減っていたはずである。それが微増はしても減っていないということは、この政策がかなり尻抜けだったということを物語っている。

そんなわけだから、この程度緩和したくらいでは、人口が目に見えて増えることは余り期待できないだろう。人口を思惑通りに増やすためには、出産制限そのものを取り払うことが肝要だ。それをしないということは、この政策変更が真剣に人口増加を狙ったものではなく、とかく人権問題としてやり玉にあがる人口政策を軌道修正することで、国際社会での面子を保とうという意向の方が強く働いているということのようだ。(写真はNYTから)


関連サイト:中国を語る 






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