アンリ・ルソーの肖像(Portrait d'Henri Rousseau):コクトーの八つの歌

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コクトーの八つの歌から「アンリ・ルソーの肖像(Portrait d'Henri Rousseau)」(壺齋散人訳)

  アロエとシジュウカラが
  おめかしをしている

  巨大な羽根の天使たちが
  エッフェル塔のまわりを飛んでる

  飛行船共和国号
  黒人がパイプをふかす
  丘の上で笛を鳴らしながら
  もうひとりの名はジャン・ジャック
  複葉機太陽号 復活祭の鐘

  すてきな日曜日だった
  見世物小屋には獣たちがいたっけ
  ジャングルや都会の獣たち
  ライオンと白い馬は
  まったくよく似ていたよ

  シジュウカラがいった<共和国万歳!>

コクトーの八つの歌のシリーズは、最後に再びアンリ・ルソーに戻ってくる。だが詩の中の登場人物としてではないようだ。詩の中に出てくるのは、巨大な羽根の天子だったり、パイプをふかす黒人だったり、ジャン・ジャックだったりする。彼らは飛行船に乗ったり、複葉機に乗ったりして、エッフェル塔の周りを浮かんでいるのだ。

ではアンリ・ルソーは何をしているのだろうか。何もしていないように見えるのは誤解だ。アンリ・ルソーは少なくとも、ジャン・コクトーにインスピレーションを与えている。


Portrait d'Henri Rousseau 

  Des aloès et des mésanges 
  en costume de dimanche. 

  Les anges aux grosses ailes 
  volent autour de la tour Eiffel. 

  Le dirigeable RÉPUBLIQUE 
  Le nègre jouait de la pipe 
  Sur la Butte fumant sa flûte 
  L'autre s'appelait Jean-Jacques 
  Biplan soleil cloches de Pâques 

  Ce fut une belle Liberté. 
  On y voyait toutes les bêtes 
  de la jungle et de la cité. 
  Un lion et un cheval blanc 
  et tous les deux très ressemblants. 

  La mésange disait: <Vive la République!>



 




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