オランド仏大統領のセックス・スキャンダル

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政治家にとってセックス・スキャンダルは、だいたい命取りの結果に終わるものだが、フランスでは必ずしもそうではないらしい。というのも、先日オランド大統領の不倫疑惑が報道されたばかりだが、そのことを多くのフランス人は問題視していないばかりか、かえってオランドの支持率が上昇するという現象まで起きている。これは、どういうわけか。日本人の筆者にはなかなか理解できないことだ。

疑惑報道の直後に行われたある世論調査では、有権者の77パーセントは、不倫などのプライベートなことがらは特に問題視しないと答え、84パーセントの人はこのことで支持を変えないと答えた。その結果といってはなんだが、オランドに対する支持率は、疑惑報道以前に行われた前回調査の24パーセントから26パーセントに、わずかながらも上昇した。26パーセントと言えば、十分に低いようにも思われるが、日頃不人気で最低支持率15パーセントを記録したオランドにとっては、まあまあの数字と言えなくもない。

愛欲といえば、前任者のサルコジも大統領になったとたんに新しい女性に鞍替えして世間をあっと言わせたものだが、サルコジもそれがマイナスになったということはなかった。かえって新しい夫人に国民の人気が集まって、サルコジに有利に働いたくらいである。

こうしたことから、フランス人は男女の仲に対して寛容な国民だという印象が伝わってくる。破廉恥な事件を起こしたあのストロス・カーンの場合も、国民はもとより細君までもがそのことにあまりこだわらなかった。彼をビジネスから排除したのは、フランス人の意思というより、国際世論だったのである。

それにしてもオランドは隅に置けない色好きと見える。現在の細君でさえ、何人目かの女性だという。それが結婚して幾ばくも経たないというのに、もう他の女性に乗り換える。筆者のような普通の日本人にはとてもまねできないことだ。







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