ウクライナの騒乱

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ウクライナで二か月前に始まったデモ騒ぎがだんだんエスカレートして、ついには死者を出す騒ぎにまで発展している。このデモ騒ぎは、ヤヌコーヴィチ大統領がEUとの自由貿易交渉を取りやめて、ロシアとの関係強化に舵を切り替えたことに、西欧派の市民が反発して始まったわけだが、最近は、ヤヌコーヴィチ政権がデモを弾圧できる法律を制定したりして、露骨な強圧姿勢を見せてきたことで、一層反対派を煽り立てたということらしい。

その反対派だが、一枚岩ではなく、左から右まで色々な勢力の寄せ集めといったものだ。唯一共通するのは、ロシアに対する反感ということらしい。その反感が西欧寄りの姿勢につながったり、民族独立の強調につながったりと、拡散的な動きを見せており、一致団結した動きと言うには程遠い。

ヤヌコーヴィチの方も、磐石な政権基盤とはいえないようで、力で反対派を蹴散らす自信はないようだ。そこで、首相職や副首相職を反対派のリーダーに与えるなどと妥協をはかる姿勢を見せているが、反対派の方でも、ヤヌコーヴィチとの妥協をはかるための基盤に欠けている。つまりバラバラで、全体をまとめられるリーダーが不在なのだ。

こんなわけで、ウクライナには、政権側にも反政権側にも、事態を収拾できるに足る基盤が欠けている。そこがこの騒ぎの行方を不透明なものにしている、といえそうだ。








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