秋瑾の歌「女權に勉むる歌」(壺齋散人注)
吾輩愛自由 吾輩は自由を愛す
勉勵自由一杯酒 勉勵せよ自由一杯の酒を
男女平權天賦就 男女平權 天賦に就く
豈甘居牛後 豈に牛後に甘居せん
願奮然自拔 願はくは奮然として自拔し
一洗從前羞恥垢 一洗せよ從前羞恥の垢を
若安作同儔 若(なんじ)安じて同儔作(た)れ
恢復江山勞素手 江山を恢復するに 素手を勞せよ
我々は自由を愛する、つとめて自由の酒を飲むのだ、男女同権は天賦の人権、女とてどうして男の後ろに甘んじ得よう、願わくは憤然努力し、従来の羞恥の垢を灌ぎたいもの、あなたも同志になって、祖国を取り戻すためにその手を労しなさい(平權:同権、牛後:鶏口牛後のたとえから、人の後ろに従うこと、從前:これまでの、同儔:同志)
秋瑾は革命家として死んでいったが、もともとは中國女性の地位向上を目指していた。男女平権(同権)が彼女のモットーだったのである。そこで日本から中国に戻った後で最初に彼女が手掛けたことは女性啓蒙雑誌の発行だった。
この歌は、雑誌「中国女報」発刊準備のための会合の席で披露したもの。男女同権の実現に向かって女性自身が立ち上れと呼びかけている。
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