シマウマにしま模様があるワケ

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シマウマにしま模様はあるのはどういうワケか。この疑問は、ダーウィンの時代から科学者たちの論争のタネになってきた。これまでさまざまな仮説が提起されてきたが、その中でもっとも蓋然性が高いのは、ツェツェバエやアブなどの吸血昆虫から身を守るためだとの研究成果が、米カリフォルニア大学カロ教授らの研究グループによって発表されたそうだ。

それによれば、ツェツェバエやアブなどの吸血昆虫は、シマウマのしま模様を嫌って、シマウマに近寄らない傾向が非常に強いことが、データによって裏付けられたという。キリンやアンテロープに比べると、シマウマの皮膚は薄くて吸いやすいにかかわらず、かれらがこれを敬遠するのは、しま模様を嫌っているからだとしか考えられないというのだ。

この仮説自体は1930年代に提起されていたものだが、グループでは、それを膨大な観察データによって裏付けたというわけだ。

シマウマにしま模様が出来たのは、おそらくは突然変異の結果だったと思われる。ところが、それがシマウマの生き残りにとって、非常にプラスに働いた。今回の研究によれば、そのプラスの最も大きなものが、ツェツェバエやアブに血を吸われないということになるが、それなら、ツェツェバエやアブの格好の標的になっているキリンやアンテロープは、どうして生き残れたのだろうか、という疑問が湧く。

科学というものは、考え始めるときりのない、そして、楽しいものだ。(写真は National Geographic から)






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