レイピストへのインタビュー番組をインド政府が放映禁止

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近年相次いだインドでのレイプ犯罪については、このブログでも何回か取り上げ、そのたびに強い憂慮の念を表明してきた。今回は、それに付け加えて、もう一つのメッセージを発信したい。というのも、レイプ犯罪の犯人へのインタビューを中心にしたBBCの放送番組を、インド政府が放映禁止措置にしたという事態が起こったからだ。

この放送番組を作ったのは、イギリスの放送作家レスリー・アドウィン女史。彼女は自分自身レイプの被害者となった経験があり、そんなこともあって、レイピストの言い分を聞いてみたいと思って、2年間かけてこの番組を作ったそうだ。番組は、犯罪者へのインタビューを中心にしている。そのインタビュイーは、先年世界中を震撼させたレイプ殺人事件の犯人だ。この事件は、バスに乗っていた若い男女を数名の男たちが襲い、女性を集団でレイプした挙句、男女もろともバスから突き落として殺害したというおぞましい事件だった。日本でも覚えている人が多くいると思う。

アドウィン女史の質問に対して、インタビュイーは、全く反省の念を示さなかったばかりか、悪いのは被害者の方だというような言い方をした。インドでは、女性が夜遅く街をうろつくなどあってはならないことだし、また、男からセックスを迫られた時には、おとなしくそれに応じるべきだ。それなのにこの女(被害女性)は、夜遅くまで放蕩の限りを尽くした後で、我々の(セックスさせろという)要求に抵抗した。これはインドの女性にはあるまじき行動だ。だから、この女が殺されるのは、当然のことなのだ。だいたいこんな趣旨のことを、犯人のインタビューは答えたということだ。

インド政府の頭にカチンときたのは、この部分だったらしい。この犯人の言い分をまともに受け取る者は、世界中どこを探してもいないと思うが、それは別にして、こんなことがインド人の口から発せられること自体が、インドにとっては面汚しのことだ。恐らくインド政府はそう考えて、この番組の放映禁止措置に踏み切ったのだと思われる。

それにしても、インドと言う国は、わからないことの多い国だ。






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