熟年女性代議士の恋は軽率か?

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自民党の某女性代議士で農林水産政務官の要職にある人が、同僚男性代議士と「不倫」をしていた現場を週刊誌にすっぱ抜かれて、ちょっとした騒ぎになっている。この女性代議士は56歳の熟年女性つまり熟女であって、相手の男性が49歳の年下で、しかも既婚だというのが、面白おかしく取り上げられた理由らしい。この女性代議士は、自分の行為を軽率だったとして謝罪し、そのすぐあとに、身体の不調を理由に入院したそうだ。

この女性代議士のしたことがどんなことかというと、深夜の六本木界隈で件の男性代議士とデートをし、路上でうれしそうな顔をしながらキスしたというのだ。それがいかにも公序良俗に反した許されない行為であるかのように、この記事は書いている。「不倫」という表現は、そうした受け取り方を象徴的にあらわした言葉だ。

この記事を読んで筆者が感じたのは、日本社会の欺瞞性とでもいうようなものだ。この女性代議士のしたことについては、本人が謝罪しなければならないほど、問題なのだろうか。決してそうではあるまい、というのが筆者の率直な思いだ。この程度のことは、今の日本では珍しいことではない。同じようなことをしている女性は五万といるはずだし、その女性のお相手をしている男性もまた五万といるはずだ。なのに、この女性が週刊誌に叩かれたのは、代議士であり政府の官職についているということと、56歳という年齢に相応しい慎みにかけているということらしい。

しかし、56歳の熟女が恋をしてはならないという理由はないし、まして政府の高官が異性を好きになってはいけないという理由もない。このカップルにひとつ弱点があるとしたら、相手の男性が結婚しているということであるが、これは男性のほうに責めを追うべき理由があれこそ、女性にはなんらやましいことはない。女房持ちの男には、女は手を出すべきではない、というのは半分封建的な倫理観に囚われた見方だ。

ともあれ、この女性代議士は、二週間の予定で入院したそうだ。半分は照れ隠しのためのようだが、筆者には無用の行為だったように思う。「わたしにも人を愛する権利がある」と胸をはっておけばよいのだ。こんなことをするから上げ足を取られて、退院するときには正気に戻って欲しい、などとチャチャを入れられる。まるで彼女が、恋情に狂う余りに正気を失ったといわんばかりだ。

その点、安倍政権の番頭である某官房長官は心が広い。今回のことは、政治家としても何ら問題がなく、したがって恥じることはないと、彼女を擁護してくれた。





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