二代目瀬川富三郎の大岸蔵人妻やどり木:写楽

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(二代目瀬川富三郎の大岸蔵人妻やどり木)

亀山藩家老大岸妻やどり木に扮する二代目瀬川富三郎。瀬川富三郎は、初代も人気の女形であり、女形の名跡であったようだ。この絵を見ると、表情の作り方や仕草に女らしさが伺えるが、顔をよく見ると、顎のはったところなど、男臭さが覗いて見える。これは、日常生活まで女としての生き方にこだわったという女形の役者にとっては、残酷な表現だと言える。写楽のすごさは、役者の実の姿を見逃さないところにある。

上部の黒髪と下部の黒い布地の間に白く化粧をした顔を配して、その部分が浮き出るような工夫がなされている。単純な工夫だが、画面がしまって見える効果を醸し出している。

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(二代目瀬川富三郎の大岸蔵人妻やどり木と中村万世の腰元若草)

二代目瀬川富三郎の大岸蔵人妻やどり木と中村万世の腰元若草とを並べたもの。写楽は、一画面に二人の人物を並べる時は、両者の対比を強調するようにした。この絵の中の二人も、顎を張った長顔の富三郎と、大福のような丸顔の万世とを対比させている。また、やどり木には気品がただよう一方、若草の方には主人への敬意が感じられる。








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