猿の名にシャーロットは失礼すぎるか

| コメント(0)
大分県高崎山で生まれたばかりの雌猿に「シャーロット」という名をつけたところ、失礼だと言って(日本人からの)抗議が集中した。というのも、この名は先日生まれたばかりのイギリスの王女と同じ名前であり、それをこともあろうに猿につけるとは、イギリス王室に対して失礼だと感じた人が多かったということらしい。ところが、当のイギリス王室では、ほとんど問題視していない。どうぞご自由に、というような態度だ。そこで、一旦は世間の風を考慮して、名前の変更を考えた地元では、このまま行ってよいのではないかと考え始めたということだ。

この問題がなぜ、こんな騒ぎをもたらしたのか。その背景には、動物に対する命名の慣習に彼我の相違があるということが指摘できよう。イギリスでは、ペットに人間と同じ洗礼名をつけるのは、めずらしくはない。例えば犬にジョンとつけたり、猫にフェリックスとつけたりだ。

一方、日本には、自分のペットに人間の名前をつける慣習はない。犬は、たとえばシロとかポチとか、犬らしい名前であらねばならない。そこへ、たとえばシンゾーとかシンタローとかいった人間らしい名前を付けると、当のシンゾーさんやシンタローさんが怒るだろうし、それ以外の人も異様に受け取るに違いない。

こんな文化的な違いが背景にあるから、高崎山の猿ごときに英王女の名まえをつけるのは失礼でけしからぬ、という反応を引き起こしたのだと考えられる。それは、いかにも日本人らしい反応であったわけだ(何故抗議した人たちが英王室に気配りするのか、いまひとつわからないところがあるが)。





コメントする

アーカイブ