安保法制反対デモへのマスコミの反応

| コメント(0)
8月30日には、安保法制に反対するデモが国会前で10万人規模に膨れ上がったのを始め、全国各地の都市でも行なわれた。しばらくデモの風景を見なかった日本でこんなに大規模なデモを見るのは1960年台後半以来ほぼ半世紀ぶりのことだ。それでこうした動きにマスコミがどう反応したか、興味深いところであろう。

筆者は翌日の夜のテレビニュースや、新聞のウェブサイトでその反応ぶりを探った。まずテレビ。筆者が見たのはNHKのニュースウォッチナインとテレ朝の報道ステーション。報道ステーションのほうは、現地の様子を映像で伝えながら、このデモの政治的な意義を大きく伝えようとしていた。それに対してNHKの方は、東芝の不正会計処理問題などある意味どうでもよいこと(東芝の株主である筆者にとっては必ずしもどうでもよいことではないが)を大きく取り上げた後に、ついでのようにこのデモに言及した。その扱い方には、なるべく軽くあしらおうとする姿勢が伺われ、今のNHKの体質が現れているようで面白かった。

一方大手新聞の反応。あくまでもウェブ版で見た限りの比較だが、朝日はデモの映像を含めて大きく取り上げていた。読売はウェブ上に見る限りでは黙殺に近い扱いだ。産経は、例によって党派的な敵対心を丸だしにして、デモをヘイト呼ばわりしていた。産経のこうした姿勢は今に始まったことではないので、別に驚くまでもないのだが、気味が悪いのは、デモをヘイト呼ばわりする姿勢を、安倍政権も共有しているのではないかということだ。もしそうなら、今後政権の気に食わぬデモは、ことごとくヘイト扱いされ、取締りの対象にされるかもしれない。

そうした意味では、先日ヘイト禁止法案が廃案になったのは、悪いとばかりもいえない。

それにしても産経というのはお人よしの集団と見える。便所の落書きで英雄気取りになれる人々といったところか。彼らは自分たちの新聞をクォリティペーパーなどと言って自慢しているが、クォリティにはグッドクォリティとバッドクォリティと両方あることをご存じないらしい。





コメントする

アーカイブ