もうひとつの「にっちゅう」戦争

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「にっちゅう」戦争と言っても、日本と中国との戦争、つまり日中戦争のことではない。「にっちゅう」の「ちゅう」は、中国の「ちゅう」ではなく、沖縄の「ちゅう」だ。「沖」という漢字は音読みだと「ちゅう」と発音するので、「日沖」戦争は「にっちゅう」戦争となるわけだ。

普通戦争と言えば、国と国との間の争いのことをさすが、「日沖戦争」は日本国が沖縄県に仕掛けた戦争である。日本国政府は、辺野古への米軍基地移転問題を巡って政府の言うことをきかないという理由で、沖縄県に対して実力行使に出た。その実力行使が、法治国家のあり方としては余りに常軌を逸しているので、これは「戦争」を仕掛けているとしか見えない。沖縄の人々も同じ思いだろう。

日本国政府の実力行使は、まず国と地方の関係を律する行政法の制度を利用して、政府の言い分を都合よく通そうという形で現れた。行政法の規定は、本来強い立場にある政府から理不尽な振舞を受けた地方団体を救済する趣旨で設けられた規定であり、政府が地方団体に対して無理やり言うことを聞かせることを目的としたものではない。そんな趣旨違いの制度を使って沖縄県に言うことを聞かせようとするのは、横暴というほかはない。

最近は、こうした法的な措置のほかに、沖縄県や地元の自治体の頭越しに、直接関係住民を懐柔しようとする動きも見せるようになった。これは敵の弱いところを叩くピンポイント攻撃のつもりだろう。

こんな具合で、今の日本国の政府を牛耳っている安倍政権のやり方は、あまりにもひどい。彼らが沖縄の人々に向ってしていることは、弾圧とか蹂躙とか言ったレベルを超えている。それ故、筆者などには、政府が沖縄県に戦争を仕掛けているとしか受け取れない。

安倍政権がこうまで夢中になって守ろうとしているものは何か。それは沖縄におけるアメリカの利権である。アメリカという外国の利権を守るために、日本国民に向って、日本政府が戦争を仕掛ける。こんな倒錯したことが、ほかに考えられるだろうか。





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