OECDの最近の調査(OECD Better Life Index 2015)によれば日本人の生活満足度(Life satisfaction)は、OECD加盟国の平均を下回っているそうだ。満足度を引き下げている要因のうち比重の大きいのは可処分所得の水準と子どもの教育機会の充実度だ。
可処分所得の水準については、日本はOECDの平均とほぼ同じだが、一方で総貯蓄の金額はずば抜けている。つまり所得が階層によって偏っているということだ。
子どもの教育機会については、子どもの15パーセントはいわゆる貧困家庭に属しており、教育の機会から遠ざけられる可能性が高い。
また、幼児の死亡率は、衛生水準の高さもあって非常に低いが、青少年の自殺率はダントツに高い。これは子どもの教育水準の低さと相まって、日本のいびつな姿を色濃く反映したものだと言える。
日本人の生活満足度が、こんなにも低くなってきた背景には、中曽根・小泉・安倍と続いてきた新自由主義的な政策が働いていると考えられる。新自由主義的な政策によって、富が偏在するようになり、いわゆる格差社会が成立してゆく陰で、子どもを始めとした弱い立場の人たちが、だんだん生きにくくなってきている実態が、この調査から浮かび上がってくるようである。
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