中国海軍と対峙する日本の潜水艦隊

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日本の潜水艦隊は、アメリカ海軍もびっくりするほど有能なのだそうだ。その様子を英字紙 Japan Times が紹介した記事を読んだ。もっともその記事は、同紙のオリジナルではなく、日本の雑誌「選択」11月号に掲載されたものを英語に翻訳して、同紙がオピニオン欄に掲載したものだ。

日本の潜水艦の有能さについて、この記事はリムパックでの日米合同演習の模様から紹介している。この演習では、日本の潜水艦がたった一隻で米の戦艦数隻を瞬時に撃沈したというのだ。その能力の背後には、日本の軍事産業(三菱や川崎重工など)の高い技術力があるということらしい。

目下海上自衛隊は18隻の潜水艦を保有している。対馬海峡、大隅海峡、沖縄本島と宮古島の間の海峡にそれぞれ3隻ずつ計9隻が常時配備され、残りの9隻はオーバーホール乃至訓練に当てられている。これらの海峡は、中国海軍が日本海や太平洋に進出するさいに通過するところから、これら潜水艦隊の使命が中国軍を牽制することにあるのは明らかだ。

かつては、日本の潜水艦隊は、ソ連海軍を牽制する目的で、宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡に配置されていた。冷戦が終了し、ソ連の軍事的脅威は弱まったと判断されたが、かわって中国の軍事的脅威が高まって来たという判断のもとに、潜水艦隊の配置を南西諸島方面にシフトさせたわけである。

中国海軍の動きは、日本の領海付近だけにはとどまらない。太平洋へ出るための通路としては、台湾とルソン島との間のバシー海峡もある。だから中国海軍の動きを封じ込めるには、そちらの方面にも注力しなければならない。

というわけからだろうか、海上自衛隊では、潜水艦の保有数を2018年度までに22隻に増やしたい意向を持っているそうだ。

もっともいくら有能な潜水艦を保有しようとも、現実的な作戦が伴わねば張り子の虎になってしまう。そのためには、本格的な戦争を考慮に入れた実際的な戦争遂行体制が整備されねばならない。ところが今の日本では、政治家たちの無策によって、最低限必要な体制も整っていない、といってこの記事は、政治家たちに発破をかけているというわけである。

(参考)Japan's crack submarine fleet Japan Times





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