池大雅の十便図から「汲便」図。もとになった李漁の漢詩「伊園十便」のうち「汲便」は次のとおりである。
飛瀑山廚止隔墻 飛瀑と山廚と止(わづか)に墻を隔つ
竹梢一片引流長 竹梢一片もて流長を引く
旋烹佳茗供佳客 佳茗を旋烹して佳客に供すれば
猶帶源頭石髓香 猶ほ帶ぶ源頭石髓の香
滝と山荘の厨房とが垣根を隔てて向かい合っている、そこへ竹を通して水の流れを引き込む、この水で茗荷を煮て客にご馳走すると、滝の流れにあった石髓の香りが残っていた
絵は簡易水道で水を引いている様子を描く。立っている人物は山荘の主人だろう。その肝腎の山荘が描かれていないのは残念だが、のんびりとした山里の雰囲気はよく出ている。
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