
蕪村の十宜図から「宜雨」図。もとになった李漁の漢詩「伊園十宜」のうち「宜雨」は次のとおりである。
小漲新添欲吼灘 小さく漲り新たに添ひ灘に吼えんと欲す
漁樵散去野簑寒 漁樵散じ去って野簑寒し
溪山多少空濛色 溪山多少の空濛の色
付與詩人獨自看 詩人に付與して獨り自から看ん
雨が降り注ぎ灘が音をたてている、猟師も樵も姿を消して蓑が寒々しく見える、溪山の多少の空濛の色は詩人におまかせして、自分はただ見ることに専念しよう
降りしきる雨を水墨で表現している。白抜きされた煙雨の部分と、そこから聳え出た山があいまって、寒々とした雰囲気を演出している。
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