デルポイの巫女:ミケランジェロ「システィナ礼拝堂天井画」

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デルポイはパルナッソス山の麓にあって、アポロンを祭る神殿があったことで有名である。そこにはアポロンの神託を伝える巫女がいて、ギリシャ全土から人々が集まってきては、巫女の口からアポロンの神託を聞いたという。プルタルコスは、ギリシャの歴史において最も古い起源を有する巫女としている。

デルポイの巫女は、ギリシャ神話でもたびたび触れられている。また、人間の歴史においても、たとえばソクラテスのような重要な人物に影響を与えた。ソクラテスが自分の信念を支えるものとして重んじた「汝自らを知れ」という箴言は、デルポイの神殿の入口に書かれていた言葉なのである。

デルポイの巫女は一人ではなく、多数いたと考えられる。そのうち最も古くて高名なのはピティアである。

ミケランジェロの描いたデルポイの巫女が、誰をイメージしているのか、よくはわからないが、彼はその巫女を乙女のようなみずみずしい表情に描いた。ミケランジェロの描いた五人の巫女の中では、もっとも女性らしい美しさを感じさせる。








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