安倍総理のトランプ表敬訪問

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安倍首相のトランプ表敬訪問の様子が少しづつ伝わってきた。トランプタワーのトランプ私邸で行われたこの訪問では、訪問者の安倍総理が通訳の他は誰も同席させなかったのに対して、トランプの方は、娘のイヴァンカとその夫のジャレド・クシュナー及び安全保障アドヴァイザーに就任予定のマイケル・フリンを同席させたそうだ。イヴァンカはともかく他の二人は、トランプ政権のタカ派を代表すると見られている。その連中を前に、安倍総理は品定めをされた格好だ。

安倍総理が会談後に行った記者会見では、彼は会談の内容についてはあえて触れず、ただトランプとの間で信頼関係を築けそうだとだけ言った。一方トランプのほうは、公式なメッセージは一切出さず、フェイスブックを通じて、安倍はナイスガイだという趣旨のことを発信したそうだ。要するに、この会談に満足したということだろう。

トランプが何故満足したか。それは、頭を多少働かせればわかりそうな気がする。自陣営の安全保障の責任者を同席させたのだから、トランプ側からは、例の在日米軍駐在経費の全額日本負担を含め、日米同盟への日本の貢献の質的・量的増大を要請されたと推測するのは自然のことだろう。トランプが上機嫌な反応を見せたことから、安倍総理はトランプ側の要求にかなりいい顔を見せたのではないか。

今回の会談は一応非公式のこととなっているので、トランプ側の対応に目くじらを立てるのは大人気ないなかもしれないが、それにしても安倍総理は、甘く見られたのではないか。安倍総理を一人で来させ、それに対してこちらは娘を含めて三人の人間を同席させた。これは外交上の儀礼を逸脱したやり方だろう。安倍総理を自分の手下と思わない限り、一国の総理大臣である彼を、こんなやり方で遇するのはありえない話だ。

朝日を始め日本のメディアは、今回のことについては、安倍総理の発言を垂れ流しするだけで、その背景を冷静に分析する姿勢に欠けている。筆者がこの件に関して情報を得たのは、外国メディアを通じてだ。この国は、あまりにも脳天気すぎる。





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