トランプがメディア支配に乗り出す

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ツイッターを通じて、「ハミルトン」や「サタデー・ナイト・ライヴ」を罵り続けたトランプが、今度はトランプタワーの25階にテレビ局の幹部たちを集めて苦言を呈した。席上最初に彼が言った言葉は、「NBCニュースは自分の写真を紹介する際にわざと二重あごに映った顔を映し出した。なぜもっとましな写真を使わなかったんだ」というものだった。

これには、現場に居合わせたテレビ人たちは唖然としたそうだ。その唖然たる感情は、時間がたつにつれて次第に強まっていった。トランプは、選挙期間中にテレビ各局が示した自分に対する悪意ある報道姿勢を強く非難し、とりわけ"うそつき"のCNNとNBCはもっともひどかったと非難した。

トランプと握手することで始まったこの会合は、次第に気まずい雰囲気に包まれていった。テレビ局の幹部やアンカーたちは、これをトランプによる初めての記者会見と思っていたところ、もっぱらメディアに対するトランプの攻撃で終始したのである。トランプはメディアの質問にまともに答えようとはせず、自分の言い分を一方的に喋りまくった。

その上で、これからは自分の言い分をそのまま報道してほしいと強い注文をつけたそうだ。そうすることで、メディアはトランプ大統領のよい味方になるよう求めたわけだ。これを聞かされたメディアの幹部たちは、トランプは果して言論及び出版の自由等に言及した合衆国憲法修正第一条を理解しているのか、疑問に思ったそうだ。

トランプの背後には、バノン、クシュナー、プリーバス、コンウェイといった取り巻きが顔を揃えていたそうだが、トランプとこれらの取り巻き立ちが一緒にいる光景は、北朝鮮を強く印象付けたそうだ。トランプも金正恩も取り巻きたちからいい加減な情報を吹きこまれ、世の中の動きをわかっていないのではないか、というのである。

テレビ局との"対話"のあと、トランプは雑誌タイムや新聞NYTとの対話を予定していたそうだが、タイムとの対話は一方的にキャンセルしたそうだ。こんな男が今後四年間ホワイトハウスの主人になることに、アメリカの心あるメディアは深刻な不安を覚えているようである。

(参考)Donald Trump Personally Blasts the Press By David Remnick : New Yorker






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